実績紹介
Actual Introduction
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埼玉から世界へ芸術活動を発信する「彩の国さいたま芸術劇場」は開館30年を迎え、大規模改修の時期を迎えました。世界に飛躍する劇場を実現するため、発注者から求められた「静けさ」を実現するために、機器やダクトの最適な更新はもちろん、空調の稼働音を部材の工夫で低減させ、出演者や観客が芸術活動に集中できる環境をつくり、発注者様にもご満足いただきました。
空調稼働音低減を実現させた音楽ホール。中央部左右2列に配置された「吹き出し口」は角度を調整したことで、風量を減らさず、静けさや快適性向上を実現させました。
【工事概要】
工事名 :彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
空調設備ほか改修工事
施主 :埼玉県
運営者 :公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
所在地 :埼玉県さいたま市中央区
建物構造 :SRC造及びRC造
延べ床面積:23855.81㎡(地下2階・地上4階建て)
工種 :空調設備
工事場所 :音楽ホール、大練習室、小ホール
彩の国さいたま芸術劇場の外観
音楽ホール天井裏の空調ダクト。耐震補強のために新設した鉄骨を避けながら設置しました。(左写真)
施工前は鉄骨がなく、ダクトは真下に伸びていました。(右写真)
【施工後】
【施工前】
空調配管には一定の間隔で吊りボルトを設置。地震の揺れで落下や破損が起きないよう防震対策をしています。(設備の安全面を第一に考える弊社のこだわりでもあります)
空気調和機は一新したことで、空調効率や省エネ性などの向上を図りました。
定期実施する空気測定口の位置見直しや機器説明書のQRコード化。使用者の負担減少のため維持管理の簡略化にも配慮した施工は弊社のこだわりです。
音楽ホール入口の「ホワイエ」の空調も一新。
ホールなどに入る前の快適性も演出しています。
音楽ホール同様に設備工事を担当。天井に並ぶ円形の吹き出し口の大きさなどを工夫しました。練習室の稼働音も低減させ、舞台と同様の環境へ近づけました。
小ホール(左写真)は快適性を向上させるため、円形の吹き出し口(右写真中央部)は個数を減らしたものの、大きさなどの工夫で心地良さを実現しました。
設備リノベーションのご感想を公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団のご担当者様に伺いました。
―大規模改修工事について
大規模改修工事は舞台機構、建築、機械及び電気設備の大規模改修のうち、正和工業様には主に機械設備の空気調和設備の更新をご担当いただきました。
―工事を必要とした理由やきっかけは
彩の国さいたま芸術劇場は開館から約30年が経過し、施設内の老朽化が目立ってきていました。そこで、これから先の30年、世界に飛躍する劇場としてあり続けるために、大規模改修工事を埼玉県に行っていただけることとなりました。
―工事で満足していただけた点は
お客様に関係する点として、ホールにおける空気調和設備の稼働音が軽減されたことです。
工事監理と共に吹き出し口も含めて見直しを行っていただき、風量は減らさず、風速を落とすことで風の音を軽減できています。
ホールの演劇、ピアノの演奏において、静寂も演出の一部ですから、非常に助かった点です。
また、吹き出し口の角度見直しをいただいたことで、空調が行き届いていなかった2階席の快適性が向上したことも良かった点だと思います。